水素吸入器は、「ほとんどの疾患の原因とされる悪玉活性酸素を選択的に除去する」と宣伝され、疲労回復や美容、老化予防まで幅広い効果が期待されている健康機器です。
しかし、私が夫婦で2年以上ほぼ毎日使い続けた結果は——期待とは大きく違うものでした。
水素吸入器を2年以上使ってみた結果
使用期間:2年以上
使用時間:1〜2時間、多い日は4時間
頻度:ほぼ毎日
体感できたこと
2時間以上連続使用で頭がスッキリする感覚
妻は化粧のりの改善を実感
気になった変化
私の場合、頭痛の頻度が増え、使用をやめたら元に戻った
疲れやすさ、風邪の治りなど全身的な改善はなし
水素吸入器の効果に疑問を感じた理由
メーカーの謳い文句
水素吸入器は「悪玉活性酸素(主にヒドロキシラジカル)を中和」と説明されています。
ヒドロキシラジカルは確かに強力な酸化力を持ちますが——ここに重要な科学的事実があります。
ヒドロキシラジカルの寿命は極端に短い
ヒドロキシラジカルの寿命はナノ秒〜マイクロ秒単位。
発生した瞬間に近くの分子と反応して消滅し、血流で全身を回る余裕はありません。
この性質を考えると、吸入した水素が体内のヒドロキシラジカルに出会って反応できる確率は極めて低く、宣伝されているような「全身の悪玉活性酸素を除去する」という説明には無理があります。
> ヒドロキシラジカルの性質と、水素吸入との反応確率については過去記事で詳しく解説しています。
→ ヒドロキシラジカルと水素吸入の科学的な限界
悪影響の可能性もある
水素はヒドロキシラジカル以外の活性酸素にも反応する可能性があります。
もし本来必要な酸化反応まで抑制してしまえば——
免疫反応の低下
代謝機能の鈍化
炎症や修復反応の遅延
といったマイナスの影響が出る可能性があります。
私の頭痛増加も、酸化還元バランスの乱れが関係していたのかもしれません。
効果があるならもっと証拠があるはず
「ほとんどの疾患の原因を取り除ける」というのが事実なら、大規模な臨床試験や多数の長期使用者から同様の改善報告があるはずです。
しかし現状のエビデンスは動物実験や小規模試験が中心で、日常的な長期吸入での効果は明確ではありません。
私の結論
「悪玉だけを選択的に除去」という説明は科学的に疑問
ヒドロキシラジカルの性質を考えると全身効果は説明困難
長期使用で悪影響が出る可能性もある
2年以上の使用でも劇的な健康効果は感じられなかった
水素吸入器は万能の健康法ではなく、効果の可能性を検証しながら慎重に使うべき機器だと考えます。
過信せず、自分の体調の変化を冷静に観察することが大切です。
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